オーディオテクニカの10種類の色から選べるカナル型イヤホンATH-CK323Mのレビューを書きました。
ATH-CK323Mシリーズ
こちらのシリーズは、10種類の色から選べ、「ipod/iphone用」「スマートフォン用」「通常コード(1.2m)」「ショートコード(0.6m)」の4種類のコードが用意されています。
ATH-CK323Mを購入した経緯
それまで使っていたイヤホンが壊れたので、手頃な値段で良さそうなものはないかと探していました。イヤホンを買うのは初めてではなく、経験上1500円以下の製品はかなり耐久性に難があると感じており、下手すると2ヶ月も保たず「安物買いのなんとやら」になる可能性高しと見ていたので、2000円以上は確保したいと思っていました。そんなわけでAmazonでイヤホン検索をしていたら、このATH-CK323Mがふと目に止まりました。値段も2500円前後でしたし、デザインもゴテゴテしておらずシンプルな感じで気に入ったので、そのままカートに入れ、購入することにしました。
ATH-CK323Mの良いところ
音質について
音質はどちらかと言うと高音がよく響きクリアな感じですが、低音もしっかり聴こえてくるバランスの良い音質だと思います。普段聴く音楽のジャンルにもよりますが、よほど重低音をガッシリ出して聞きたい場合でなければ、この価格帯では十分満足のいく音質ではないかと思います。買って聞き始めの最初のうちは、やや高音が突き刺さり尖っているような印象を受ける場合もありますが、しばらくエージングしているとその尖りも取れて、中低音も揃ったハーモニックな音色に化けます。
カナルタイプなので、遮音性もそこそこあり、多少周囲がうるさい環境でもしっかり細かな音まで聞き取ることが出来ます。この価格ですからノイズキャンセリング機能などついてはいませんが、日常使うには十分でしょう。あとは、イアープラグの付け替えによって音の出方がやや変わってきますので、好みにカスタマイズしてみるとよりこのイヤホンのポテンシャルを引き出すことが出来ると思います。
耐久性について
耐久性は本当に素晴らしいです。
もともとこのくらいの値段で、自分はほぼ毎日イヤホンを使用しますので、半年も保てば御の字くらいに思って買ったのですが、なんと既に3年近く使っています。
このイヤホンを買うまで、自分は1000円〜3000円くらいのものを年に何度か買い換えていました。どうしても外出時にポータブル音楽プレイヤーなどに挿して使用する関係上、ジャック部分のコードにかかる負荷は大きくなりがちですし、またうっかりプレイヤーをポケットや手から滑らせてコードで宙吊りにしてしまうような事故も起きてしまいます。
だいたい、そうした使い方で数ヶ月が経つと、片耳のスピーカーが接触不良になって聞こえなくなったり故障箇所が出てきます。
その点、このATH-CK323Mは非常に優秀な耐久を持っていると感じます。もう何度もポータブルプレイヤー宙吊りバンジー事故も起こしましたし、プレイヤーに巻きつけてポケットに無造作に突っ込んでおくことも多いのですが、いまだに現役バリバリで毎日使えています。耐久性が高いということはすなわち、コスパが良いということ、普段使いのイヤホンとしては、その値段と必要十分な性能から鑑みても、破格の良い買い物であったと思っています。
実は、買って1年ちょっと経った頃に、自分はそのタフさに感動しつつも、そろそろどこか壊れてもおかしくないなと疑い、予備に同じ製品をもう1つ注文したのですが、それから2年間、そのATH-CK323M第2号は、箱に入った状態のまま待機しているという有り様。多少の個体差はあるでしょうから、自分の元に届いたのがタフなやつだったのかもしれませんが、それにしても驚きです。いろいろな意味で、これでオーディオテクニカが儲かるのかどうかも含めてビックリの耐久性でした。
ATH-CK323Mの改善して欲しいところ
イヤープラグについて
少々気になるのは、耳にはめるゴムの部分、イヤープラグでしょうか。プラグが耳にしっかりフィットしないと、ちょっとした動きや汗などで滑り、ポロっと外れて落ちてしまいます。
耳の穴の大きさは人それぞれでかなり違うので、イヤープラグのサイズによっては使い物になりません。一応このATH-CK323Mには4種類のサイズのイヤープラグが付属しており、付け替えることで4段階にサイズ調整が可能です。
ただ、ゴムがちょっと硬めなので、慣れていないと付け外しに相当手こずる羽目になりますし、無理にやろうとすると本体が壊れそうでちょっとヒヤヒヤします。
ちなみに自分は、左の耳の穴の方が少し小さいのか、初期のサイズだと左耳だけうまくフィットしてくれず飛び出してしまう状態だったので、左のイヤープラグだけを小さめのものに変えて使っています。サイズの調整だけで済むなら、4段階ある中から大体誰でも自分に合ったサイズに変更出来るのではないかと思いますが、そもそも付属プラグの付け心地自体はそれほど優れて耳に馴染むわけでもないので、付け心地が気に入らない方は他のイアープラグを探してみる必要があるかもしれません。
音質について
音質は決して悪くないですが、やはり高価格のイヤホンと比べてしまうと見劣りしてしまうのは否めません。具体的に言えば、特にエージングする前は高音に寄った少々シャンシャンした軽いサウンドになってしまうという欠点があります、低音が立たないのでロックなどは少々上滑りした安っぽい聴こえ方になってしまうかもしれません。より上質な音質を求める人にとっては、そうした面で物足りなさを感じさせることもあるでしょう。
ATH-CK323Mレビューのまとめ
良いところ・悪いところの両面はもちろんありますが、この価格帯の中で見ればよくまとまったイヤホンと言えると思います。上を見ればまだまだ音質の面でも付け心地の面でも上位の機種はありますが、機能が上がればどうしても値段も比例して高くなっていってしまいます。
イヤホン選びにおいては、値段と機能の妥協点が重要になってきますから、その妥協点をどこに設定するかによって、人それぞれ求めるイヤホンは変わってくるでしょう。このATH-CK323Mは、日常頻繁にイヤホンを使いそれなりに高音質で音楽を楽しみたい、かつ値段はそこそこにリーズナブルだと嬉しい、そんな人にはオススメの1品です。
そして自分のような人、「ちょっと扱いが荒いのかよくイヤホンが断線して何度も買い換える羽目になってるんだよなぁ」そんな経験がある人には、ぜひ一度、試していただきたいイヤホンです。