圧倒的な音を鳴らす!SONYのハイレゾに対応したフラグシップヘッドホン「MDR-Z7」をレビューしました。
「MDR-Z7」を買った経緯
1年ぐらい前から、ハイレゾで音楽を聴いてみたいと思って、ハイレゾ対応なヘッドホンをあれこれ探していました。
アニメの曲がハイレゾ版で配信されるようになり、ハイレゾ音楽が自分の守備範囲に入ってきた、というのが大きいです。ちなみにこの時点では、候補としてMDR-1Aを検討していました。
しかしそんな折、空き家になっていた祖父の家を解体する、という話がやってきたのです。
解体前には家の中の物を、処分する必要がありました。
とはいえ、産廃業者に引き取ってもらうと、結構良い金額を取られます。そこで、少しでも節約できたら良いなと、軽い気持ちでヤフオクに出品したら...意外に売れてびっくり。思わぬ臨時収入と相成りました。
この臨時収入で予算が増えたので、ワンランク上のMDR-Z7が手の届く範囲に降りてきました。こういうお金は手元にあるうちに、貯めずにさっさと使うが吉です。しかし、いくら予算内で買えそうでも、さすがに試聴ナシで買えるほどの度胸はありません。
早速、お店に行ってMDR-Z7を試聴。他のメーカーのもこのぐらいのクラスになると、ムダのない音でどれも聴いていて気持ちいいです。MDR-Z7は最初の候補のMDR-1Aと比べると、音色がやわらかめな印象。個人的には好みの音でした。やっぱり買うしかない。値段にビビりつつも、迷っていると買う前に手元のお金が消えるような気もします...それは嫌だ。ということで、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで購入!ホント、こんな機会でもなければ、MDR-1Aで終わっていたと思います。
「MDR-Z7」の良いところ
音質について
さすがソニーのフラッグシップモデルなだけあって、素晴らしいの一言に尽きます。
最初に聴いた時は、あまりのすごさに目がテンになりました。
もっとも、以前から使っているイヤホンはMDR-Z7と価格が一桁違う5千円程度のものですから、何を聴いても良く聴こえるのかもしれませんけど...。でも、私には「劇的ビフォーアフター」な展開で、「あなたの人生、変わるわよ」状態でした。
無駄のない滑らかな音が耳に優しく入ってくる感じは、クセになります。奥行き感も全く違います。高価なのはちゃんと理由があるんだなぁ!、と痛感します。音の表現が細かい感じもします。そのせいか、左右の音の違いがわかりやすいです。ライブ録音した楽曲を聴くと、臨場感があってライブ会場にいるような気分になれます。
後から中古でUSBDACを購入して、それを通して聴いてみると、また音色が変わってびっくりしました。音色が化ける、とでも言えば良いでしょうか。さらに無駄がなく、研ぎ澄まされた音になった感じがしました。ケーブルを別売りのkimberケーブルに変えると、また音が変わるようですが、これもまた高価です。魅力的ではありますが、今は手が出ません。
装着感について
ドライバーユニットが70㎜もあるので、装着部分が大きいです。イヤーパッドの厚みは4cmもあって、ボリューム感たっぷり。
付けた感触を例えるなら、少し固めの低反発クッションで顔を左右から挟まれたような感じ、でしょうか。イヤーパッドは柔らかいのですが、押されて沈み込むこともありません。優しく押し包むようで、気持ちいいです。
イヤーパッド部分の素材は合皮ですが、布に近いさらっとした感触です。汗がたまってもベトベトしづらくて、汗っかきな私には助かります。イヤーパッドが大きいので、その分ホールド力も強いです。このため、付けててずり落ちそうになることもありません。
デザインについて
奇をてらうこともなく、スタンダードなデザインで落ち着いてて良いと思います。でも、大きなイヤーパッドの存在感がハンパないです。パッと見た時に、ヘッドバンドが一瞬小さく見えてしまうほど大きいです。
「MDR-Z7」の悪いところ、改善して欲しいところ
音質について
確かに素晴らしい音です。ただ、ヘッドホン単体とUSBDACを通したのとを比べると、単体は少し物足りない感じがします。単体だけだと、音が軽くて奥行き感がないのです。このクラスになれば、単体で使う人はいないと考えているのかわかりませんが、この点は残念に思います。追加でヘッドホンアンプやUSBDAC、交換ケーブルなどを揃えていくと、結構な金額です。また、MDR-Z7は密閉型ヘッドホンですが、完全な密閉型ではありません。なので、音漏れがします。私はそこまでボリュームを上げて聴くことはないので、気にしてませんが、心配な人は注意した方が良いかもしれません。
装着感について
付けて1時間ぐらい経過すると、耳たぶの後ろ辺りが圧迫されるのが少し痛いですね。やや強いホールド感で、メガネの弦が顔の側面に軽く食い込む感じも、ちょっと気になります。とはいえ、こちらは痛いというほどではありません。後は、重量が335gあり、長い間付けていると意外に肩がコリます。今まで100g未満のイヤホンを使ってましたから、慣れの問題かもしれませんが...デザインについてヘッドバンド部分に本革が貼ってあるのは、個人的にはあまり好みではないです。無理に高級仕様になった感じがして疲れます。
「MDR-Z7」おすすめのオプション品
専用リケーブル
SONY製のポタアン
「MDR-Z7」のレビューをまとめると
思いがけず購入しましたが、今までにない音の世界に触れることができました。高価ですが、聴き込んでいくうちにそれだけの価値があることを強く実感させられました。オプションでヘッドホンアンプやUSBDACなどを付けることで、音はさらに素晴らしいものになっていきます。ただ、このオプションも本体同様、高価なのがたまにキズです。大体、高価な物はオプション品も高価なんですよね。